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  • 診療放射線技師・斉藤利典技師と順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科・相川忠夫医師の論文が日本心臓核医学会のAnnals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。
診療放射線技師・斉藤利典技師と順天堂大学医学部附属順天堂医院 循環器内科・相川忠夫医師の論文が日本心臓核医学会のAnnals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。
2025.10.29

論文名:Impact of Region of Interest Size on Semi-Quantification of Myocardial 99mTc-pyrophosphate Uptake in Suspected Transthyretin Cardiac Amyloidosis

著者名:Toshinori Saitou, Osamu Manabe, Atsushi Nagase, Hiroaki Toyama, Tamaki Kudo, Noriko Oyama-Manabe, Tadao Aikawa

  • 内容は以下の通り

心アミロイドーシスの診断に関しては、核医学検査の中でもピロリン酸シンチグラフィという検査の有用性が近年注目されており、本邦で2020年に策定された診断のガイドラインにも画像診断方法が記載されています。心筋へのトレーサー集積を評価する方法として定量評価法があり、心臓と対側の肺野に関心領域(region of interest: ROI)を設定して集積カウントの比を算出する方法です。この解析では心臓を含めるような大きさで左右対称にROIを設定するようにガイドラインでは記載がありますが、どのような大きさのROIが診断に最適か検証されておりませんでした。そこで本研究では、心アミロイドーシス疑い患者に対するピロリン酸シンチグラフィの定量評価における最適なROIの大きさを検証しました。

結果として、3種類の大きさの異なるROIで計測したところ、それぞれのROI計測でピロリン酸の心筋集積検出能に変わりはありませんでした。しかし、心臓を覆う範囲のなかでより大きなROIを用いた場合では計測結果の再現性が良いことがわかりました。

心アミロイドーシスの確定診断・治療には心筋生検など侵襲的な検査が必要であり、その前段階であるピロリン酸シンチグラフィの画像診断において、検査結果の再現性を担保することは非常に重要であり、本研究結果が日常臨床に生かされれば幸いです。

当院では引き続き、ピロリン酸シンチグラフィの画像診断について、さらに検証を進めていく所存です。

この論文は2025919日に英文雑誌Annals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。

詳細はこちらをご覧ください。

(原著論文:https://doi.org/10.17996/anc.25-00005)