心臓血管外科

心臓や血管の手術を行っています。約2,000例の手術経験があり、海外での治療経験も豊富な医師が中心となってチームを組み、患者さんひとりひとりの状態を十分に考慮した上で個々の患者さんにとって最適なアプローチ法を決定します。

冠動脈バイパス術のほとんどは、身体に負担の少ない心拍動下におけるバイパス術を選択しています。他に心臓弁の置換術や形成術、胸部・腹部大動脈瘤なども行っております。

当院では、低侵襲手術(小切開手術)と透析患者さんへの心臓手術の取り組みも積極的に行っております。

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外来のご案内
主な対象疾患と診療の指針
  • 虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
  • 心臓弁膜症
  • 胸・腹部大動脈瘤(ステントグラフト内挿術等)
  • 下肢静脈瘤(レーザー治療、ストリッピング手術)
低侵襲心臓手術(MICS、ミックス手術)の取り組み

身体にメスを入れる手術では、なるべく体に負担のかからない方法で行いたいと思うのは外科医のみならず、全ての患者さんの望みだと思います。通常の心臓手術では胸の正中にある胸骨という骨を切開して行う方法が一般的です。しかし、切開した骨がしっかりと固定されるのには3ヶ月ほどかかかるといわれており、その期間は仕事、運動等に制限がかかります。低侵襲心臓手術(MICS)は胸骨を切らずに、肋骨同士の間から胸腔鏡というカメラを挿入し、心臓の手術を行う方法で従来の手術と比較して、患者さんの体の負担が少ないというメリットがあります。また、皮膚の切開を小さくすることのみならず、出血量、術後の疼痛、感染症のリスクが軽減されるなどの医学的な利点もあると言われています。

当院では、可能な限りMICSを取り入れ、術後の患者さんの早期社会復帰にもつながるよう心がけています。すべての患者さんにMICSが行えるわけではなく、また、特有な合併症もあるため、術前の状態などを十分に考慮した上で、患者さんにとって、最適なアプローチ法で手術を行います。MICSをご希望の患者さんは、当院の外来にてご相談ください。

低侵襲心臓手術(MICS)の適応となる疾患
  • 心臓弁膜症(大動脈弁、僧帽弁などに対する手術)
  • 狭心症(冠動脈バイパス術)
  • 心臓腫瘍
  • 不整脈(左心耳閉鎖術)

僧帽弁形成術

大動脈弁置換術

冠動脈バイパス術

左心耳閉鎖術

ステントグラフト治療

ステントグラフトは金属製のバネであるステントと、グラフトと言われる人工血管で出来ています。ステントグラフトを大動脈の中に留置することにより、大動脈瘤の拡張部分を固め(血栓化させる)、大動脈瘤の破裂を予防する治療法です。ステントグラフトは元々細く折りたたんであり、直径7-10mm程度のカテーテルを用いて足の付根にある動脈から大動脈の中に運搬します。脚の付け根を数cm切開するだけで治療が行え、胸部や腹部を大きく切開する必要がないため、体への負担が少ない手術法です。ステントグラフトには複数の機種)があり、それぞれに違った特性を持っています。大動脈瘤の位置や形、ステントグラフトを運搬するための動脈の太さなどを総合的に考慮し、適切なデバイスを選択しています。

胸部大動脈瘤術前画像

胸部大動脈瘤術後画像

腹部大動脈瘤術前画像

腹部大動脈瘤術後画像