症状からみた病気の解説
症状からみた病気の解説
脈が速い・遅い・飛ぶ、動悸(どうき)

主に心臓で起こっている病気が原因であるものと、心臓以外に原因があるものに分かれます。

【症状】脈が速い
症状の特徴 疑われる病気

心臓は1分間に60~70位の割合で規則的に収縮、拡張を繰り返しますが、このリズムが崩れると不整脈になります。突然、脈拍が120以上になったり40以下になると動悸や息切れの他にめまい、失神といった症状が出ることがあります。

脈が速い不整脈には心房細動があります。通常、心臓は右心房にある「洞結節(どうけっせつ)」という部位から発生する規則的な電気信号によって、1分間に60~100回程度のリズムで動いています。ところが心房細動では、複数の電気信号が心房の中を旋回し、1分間に400~600回の速さで心房が細かく震えるような動きになり、そのために脈の乱れ、動悸(どうき)、めまいなどを自覚しますが、症状を自覚しない人も約半数近くおります。心房細動そのものは死亡の直接の原因にはなりませんが、脳梗塞や心不全を引き起こす原因になることがあり、心房細動になった人は、不整脈のない人に比べて脳梗塞が約5倍、心不全が約4倍に起きやすくなるとされています。

  • 発作性頻脈などの不整脈
【症状】脈が遅い・飛ぶ
症状の特徴 疑われる病気

徐脈性の不整脈で見られる症状で、洞不全症候群や房室ブロックなどが疑われます。心臓から全身に送り出される血液が不足して息切れや疲れやすさが起きたり、脳の血流量が不足して意識消失することもあります。突然死につながる場合もあるため、ペースメーカーの植え込み手術が必要になります。脈が飛ぶような感じの場合は、期外収縮の可能性があります。期外収縮は、正常の電気刺激とは別のところから電気が発生するため、脈の乱れが生じます。この異常な電気刺激が発生する場所が心房の場合を上室性期外収縮とよび、心室の場合を心室性期外収縮とよびます。これらは最もありふれた不整脈で、健康診断などでも指摘されることが多いものです。30歳を過ぎる頃からほとんどの人に認められ、年齢とともにしだいに増加します。何も感じない(無症状)人から、強い症状を訴える人までおります。

  • 洞不全症候群
  • 完全房室ブロックなどの不整脈
  • 期外収縮などの不整脈
【症状】動悸(どうき)
症状の特徴 疑われる病気

動悸とは心臓の鼓動を意識する状態で、不安や興奮、緊張したときに強く感じます。必ずしも病気とは結びつきませんが、長く続いたり、頻度が多いと感じた場合は、循環器の専門病院を受診したほうがよいでしょう。動悸を起こす原因はさまざまですが、生命に関わるような病気が隠れている場合もあります。動悸の主な原因となる不整脈は高齢者に多い病気ですが、若い人にも起こります。不整脈のなかでも最も多い心房細動は、加齢とともに増え、女性よりも男性に多いことが知られています。

  • 狭心症
  • 心房細動などの不整脈
  • 貧血
  • 甲状腺疾患等

胸が重苦しい、痛い、圧迫感がある

重いものを持ったり、運動することで胸が重苦しくなったり、痛みが出た場合は、年のせいではありません。

胸の痛みは心臓や大動脈、肺、骨、神経等に関わる様々な病気で起きることがあります。

鋭く刺すような痛みや、心臓の辺りがチクチクする痛み、息を吸うと痛むなどの症状は神経痛や筋肉痛等の可能性がありますが、中には、心臓の血管が詰まることで起きる心筋梗塞や大動脈瘤破裂等、命に関わる病気の場合があり注意が必要です。

特に急に生じた胸の痛みが15分以上続く場合は直ちに循環器の専門病院を受診しなければなりません。

【症状】胸の痛み、圧迫感がある
症状の特徴 疑われる病気
階段や坂道を登った時、走った時等に胸の痛みが数分間続く。早朝のトイレ利用時や洗面時に胸が痛むことがある
  • 狭心症
  • 大動脈弁狭窄症
  • 肥大型心筋症
運動時、安静時に関わらず突然15分以上胸が痛む
  • 緊急性あり:心筋梗塞、大動脈解離、気胸、肺塞栓症
  • 緊急性なし:帯状疱疹、筋肉痛、胃潰瘍
呼吸によって胸の痛みが変化する
  • 心外膜炎
  • 胸膜炎、筋肉痛(肋間筋など)
  • 神経痛

足がむくむ・しびれる・痛い、体がだるい・こわい・疲れやすい

下肢のむくみや体がだるい等の原因には心臓病、腎臓病等が疑われます。また、足のむくみだけの場合には下肢静脈瘤等の原因も考えられます。

水分の摂り過ぎで足のむくむ場合がありますが、朝起きた時からむくみがあり、指で数秒間押した後、下肢の皮膚にできたくぼみがしばらく元に戻らない場合は、心臓、腎臓、肝臓等内臓の病気の可能性が考えられます。また、足の動脈に動脈硬化が起こり、内腔が狭くなったり、詰まったりして血液の流れが悪くなる病気には末梢動脈疾患(PAD)があります。足の血流が悪くなると足がしびれたり、痛んだりします。

さらにPADが悪化すると、足に潰瘍ができたり壊死したりすることがありますので循環器専門医の治療が必要です。また、PADには同じ動脈硬化が原因の狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを合併することが多いので注意が必要です。

【症状】足がむくむ
症状の特徴 疑われる病気
指で押すと下肢の皮膚がへこんであとがつく
  • 心不全
  • 腎不全
指で押しても皮膚がへこんだあとがつかない
  • リンパ浮腫
下肢の静脈がこぶのように盛り上がったり、網目状に浮き出たりした状態になる
  • 下肢静脈瘤
【症状】足が痛い・しびれる
症状の特徴 疑われる病気
少し歩くと足のしびれや痛みのために歩けなくなり、しばらく休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行)
  • 末梢動脈疾患(PAD)
  • 腰部脊柱管狭窄症(LSCS)

【症状】体がだるい・こわい・疲れやすい
症状の特徴 疑われる病気
体がすぐに疲れやすい、疲れがとれにくい
  • 心不全
  • 腎不全
  • 狭心症
  • 心臓弁膜症
  • 肝臓病
  • 貧血
  • 癌など

息切れ

今まではとくに症状もなくできていた運動や階段を登る時などに「息苦しい」、「胸に圧迫感がある」、「胸が締め付けられる」、「胸が痛い」といった症状が出る場合は狭心症が疑われます。また、散歩の途中で立ち止まるようになったり、トイレに行くだけで胸がドキドキすることがある、早足で歩くと胸が痛むことがあるなどの症状がある場合は弁膜症や心筋症などの可能性があります。

症状の出始めを見逃さずに、「ちょっとつらいかな」と思ったら、早めに循環器専門医を受診してください。

【症状】息切れ
症状の特徴 疑われる病気
体を動かした時に息切れを感じたり、顔や下肢にむくみがある。
  • 心不全
  • 狭心症
  • 心臓弁膜症
  • 心筋症
  • 肺疾患
  • 貧血など

めまい・立ちくらみがする

めまい・立ちくらみは低血圧、貧血で見られることが多い症状ですが、脈が遅くなる徐脈性の不整脈でも出現することがあります。洞不全症候群や房室ブロックなどの徐脈性の不整脈が原因の場合はペースメーカーの植え込み手術で症状は無くなります。

【症状】めまい・立ちくらみ
症状の特徴 疑われる病気
脱力感、運動耐容能低下、動悸、失神が生じる場合があります。
  • 洞不全症候群
  • 房室ブロック

健康診断で再検査を勧められた方や遺伝の影響が心配な方
健康診断で循環器専門医の受診を勧められた

職場健診、自治体で行っている健診(札幌市とくとく健診)、人間ドック等の検査結果で要精査となった方に対して、当院では最新鋭の検査機器を用いた検査結果に基づき、循環器専門医が診察致します。

また、治療が必要と判断された場合には、経験豊富な循環器専門医が患者さんにとって最善の治療方法を提案し、ご相談の上治療に当たります。受診のご予約はお仕事等のご都合を考慮の上調整させていただきます。

親族の中に心臓病を患った人がいる

高血圧症、糖尿病、脂質異常症は遺伝する可能性のある病気ですが、早めに治療しなければ心臓病を引き起こす危険性があります。また先天性心疾患、マルファン症候群、ブルガダ症候群などは遺伝性の病気ですが、循環器専門の病院では容易に診断することが出来ます。

【症状】頭痛、肩凝り、吐き気
症状の特徴 疑われる病気
頭痛、めまい、吐き気、嘔吐、息切れ、手足のむくみ、意識障害等
  • 高血圧症
  • 腎臓病
  • 動脈硬化症

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