• ホーム
  • お知らせ
  • 当院診療放射線科 斉藤利典技師と順天堂大学医学部附属 順天堂医院 循環器内科 相川忠夫先生の論文が日本心臓核医学会のAnnals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。
当院診療放射線科 斉藤利典技師と順天堂大学医学部附属 順天堂医院 循環器内科 相川忠夫先生の論文が日本心臓核医学会のAnnals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。
2024.07.26

この度、斉藤利典技師と相川忠夫先生の論文が2024年5月27日に英文雑誌Annals of Nuclear Cardiologyに掲載されました。

論文名:Lateral Planar Imaging of 99mTc-pyrophosphate Scintigraphy in Patients with Suspected Transthyretin Cardiac Amyloidosis

著者名:Toshinori Saitou*, Tadao Aikawa*, Osamu Manabe, Shinichiro Fujimoto, Yuya Matsue, Atsushi Nagase, Hiroaki Toyama, Tamaki Kudo, Noriko Oyama-Manabe, Tohru Minamino

*co-first authors

原著論文についてはこちらからご覧ください。

https://doi.org/10.17996/anc.24-00002

論文の概要

心アミロイドーシスの診断に関しては、核医学検査の中でもピロリン酸シンチグラフィという検査の有用性が近年注目されており、本邦で2020年に策定された診断のガイドラインにも画像診断方法が記載されています。心筋へのトレーサー集積を評価する方法として正面像における視覚的評価と定量評価の2つが挙げられていますが、心内腔へのトレーサーの滞留による検査の偽陽性は特に定量評価で診断能を低下させる要因として問題でした。心内腔のトレーサー滞留に関して、上行大動脈と心臓の集積比を取ることで診断能向上に寄与したという文献から着想を得て、海外のガイドラインで診断補助として記載されている側面像を用いることで上行大動脈と心臓の集積比を算出する方法を考案しました。

結果として従来の正面像を用いた2つの評価方法に、側面像を用いた上行大動脈と心臓の集積比による評価方法をそれぞれ組み合わせると、SPECTを基準とした心筋集積の判定精度が向上しました。

心アミロイドーシスの確定診断・治療には心筋生検など侵襲的な検査が必要であり、その前段階であるピロリン酸シンチグラフィの画像診断の精度向上は患者の有益につながると考えています。

本研究を含めてピロリン酸シンチグラフィの画像診断について、さらに検証を進めていく所存です。