【研究内容】
近年心不全患者が急増し、心不全の罹患率は高齢になればなるほど高くなることが知られており、
高齢心不全患者の低栄養合併は予後不良で栄養管理の重要性が高まっています。
心不全の栄養管理では、これまで1日塩分摂取量6g未満の制限が提唱され、
2025年改訂版心不全診療ガイドラインでは「過剰な塩分摂取を避け、個別性をふまえた塩分管理を考慮する」とされましたが、
適切な塩分摂取量のエビデンスが不足しているのが現状です。
これを踏まえ、高齢心不全患者の塩分摂取量と予後の関連について検討致しました。
本研究ではエネルギー充足に必要な1日塩分摂取量は9.3gとなり、
エネルギー摂取不足は予後不良と関連し、1日塩分摂取量6g以上の非制限と予後不良との関連は認めませんでした。
高齢心不全患者の予後を意識した栄養管理では、低栄養を予防としてエネルギー確保を優先し、
必要に応じて食塩摂取を許容した栄養支援を行う重要性が示唆されました。
【コメント】
この度はこのような賞をいただき、大変光栄に思います。
この場をお借りして、このような機会を与えていただきました大堀理事長、演題発表について指導くださいました大堀副院長、長きにわたり研究についてご指導くださった村上先生、原田科長をはじめ支えてくださった栄養科の皆さん、研究にご協力いただきましたリハビリテーション科の住吉主任に厚く御礼申し上げます。
今回の受賞を励みにこれからも研究を継続し、心不全患者の栄養管理に還元して参りたいと思いますので今後とも変わらぬご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
