循環器内科・相川 忠夫 医師の症例報告が米国心臓核医学会誌(Journal of Nuclear Cardiology)に掲載されました。

論文名:Cardiac resynchronization therapy through a subcutaneous tunnel assessed by phase analysis of gated myocardial perfusion SPECT imaging
著者:Tadao Aikawa, Rui Kamada, Jiro Ogino, Toshinori Saitou, Naohiro Funayama, Daisuke Hotta 6


十分な薬物治療を行っても心臓のポンプ機能が高度に低下した心不全の患者さんでは、しばしば心室内伝導障害(心臓が収縮するタイミングがずれてしまい、効率的な収縮ができない状態)を合併します。その場合にはペーシングによる心不全治療(心臓再同期療法;CRT)が有効な場合があります。当院において、すでに植え込まれていたペースメーカにより腕頭静脈が閉塞していたため、反対側から皮下トンネルを通して左室ペーシングリードを挿入して心臓再同期療法を行い、心臓のポンプ機能が著明に改善した症例を経験したため、米国心臓核医学会誌(Journal of Nuclear Cardiology)に論文報告しました。

本症例では当院のハートチームカンファレンスで治療方針を決定し、手術を行いました。(北海道大学病院循環器内科の鎌田 塁先生にアドバイスを受けました。)当院では毎週、心不全治療に関わる内科医や外科医だけでなく、看護師、臨床検査技師(心エコー検査のスペシャリスト)、放射線技師(画像検査のスペシャリスト)、理学療法士(リハビリテーションのスペシャリスト)などが集まってハートチームカンファレンスを行い、お互いが持つ患者さんの情報を共有しながら、一人一人の患者さんに最適な治療方針について意見交換しています。

心不全は生涯にわたる病気ですが、私たちは「医療を通して、同じ時代に生きる人々のお役に立つ」を理念に、患者さんの体に負担の少ない検査・治療を提供できるよう心掛けています。


この論文は2022年3月8日に海外の英文雑誌Journal of Nuclear Cardiologyに掲載されました。
詳細は下記よりご覧ください。
(症例報告論文:https://link.springer.com/article/10.1007/s12350-022-02916-7

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