当院が総合診療科を設けている理由について

当院は、循環器専門病院として42年間診療してまいりましたが、今日、我々の想像をはるかに超える速度で進む超高齢化社会が到来し、受診される方々は、循環器の病気ばかりではなく、複数の病気を抱えている場合が多いです。中には、無症状の悪性腫瘍(癌)に罹患されている方もおられます。極端なことを申し上げるのなら、私共医師は、当院を受診される方の、循環器以外の疾患にも目を向け見逃さないことに神経を集中して診療しております。循環器の病気が疑われる病状であっても、その背後に違った病気が潜んでいることも往々にしてあるのです。
 一方、幅広い範囲で診療に携わっている総合診療科の医師は、専門医とは異なった視点から患者さんを診ることができ、専門医が見逃す病変を指摘してくれることもあります。超高齢化が進む日本で高齢者が抱える複数の疾患にも目を向ける体制を持ちながら、循環器領域における疾患にしっかりと対応する体制こそが求められており、当然のこととして悪性腫瘍(癌)もその中に含まれてきます。医療は日進月歩で進歩しており、今までは治療に難渋した多くの疾患で、複数の診療科の目をもって対応することで、病状の悪化を可能な限り見逃さず患者さんの安心に繋げていく、当院はそういった観点から総合診療医にも治療に参加してもらい、複雑化する高齢者医療に多角的に立ち向かい、受診された方々を診断、治療していこうと考えております。
受診される皆様には、ご理解賜りますようお願いいたします。

社会医療法人 北海道循環器病院
理事長 大堀 克己

社会医療法人 北海道循環器病院