循環器内科・相川 忠夫医師と診療放射線技師・斉藤 利典の論文が日本核医学学会のAnnals of Nuclear Medicineに掲載されました。

論文名:Comparison of 1-h with 3-h planar 99mTc-pyrophosphate scintigraphy in patients with suspected transthyretin cardiac amyloidosis using SPECT as a reference standard

著者名:Toshinori Saitou*, Tadao Aikawa*,**, Osamu Manabe*, Atsushi Nagase, Tamaki Kudo, Noriko Oyama-Manabe

*co-first authors, **corresponding author


心アミロイドーシスとは、心臓の筋肉にたんぱく質が異常に集まり、心機能を低下させる疾患です。その心アミロイドーシスの診断に関して、核医学検査の中でもピロリン酸シンチグラフィという検査の有用性が近年注目されてきています。検査に推奨されている撮像時間や評価方法がありますが、それらの陽性画像に対する診断能についての報告はなく、さらには心内腔に検査製剤が滞留しまうことによる画像評価への影響も問題となっていました。

そこで本研究ではピロリン酸シンチグラフィの画像評価に関して、撮像時間や評価方法の違いによる画像評価について検証することとしました。結果として、撮像時間については検査製剤投与1時間後で感度が、3時間後では特異度が高いということがわかり、画像評価方法として視覚的評価に半定量評価を組み合わせても陽性画像の診断能に変わりないということがわかりました。また、心内腔への検査製剤の滞留に関しては腎機能との関連がないということもわかりました。

今回の研究結果も踏まえて、今後も画像検査に携わる者として、医師が適切に診断できるような画像情報提供を心掛け、患者さんにより良い医療を提供できるように努めていきたいと思います。

 

この論文は2022年11月10日に国際英文雑誌Annals of Nuclear Medicineに掲載されました。
詳細はこちらをご覧ください。
(原著論文:https://link.springer.com/article/10.1007/s12149-022-01807-8
 
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