リハビリテーション科 村井明人 理学療法士の論文が日本心臓リハビリテーション学会の学会誌に掲載されました。

リハビリテーション科 村井明人 理学療法士が投稿した論文が日本心臓リハビリテーション学会の学会誌(2022年3/4号)に掲載されました。

日本心臓リハビリテーション学会は、心臓リハビリテーションに関わる学術研究の進展・発展を目標に医師・看護師・理学療法士・作業療法士・健康運動指導士・臨床検査技師・管理栄養士・臨床心理士など多職種で構成され、会員数は2021年で15,117名の学術団体です。

以下、村井明人 理学療法士のコメントを紹介します。


当院に心不全の診断で入院した患者さんを対象として、トルバプタンの投与タイミングが心臓リハビリテーションの進行(心臓リハビリテーションを行うことによる効果)、及び、在院日数に与える影響を調査しました。

24時間以内にトルバプタンを投与した患者さんは、投与しなかった患者さんと比べて心臓リハビリテーションの進行が早く、在院日数が短縮しました。

高齢の心不全患者の多くはフレイルを合併し、フレイルを合併した心不全患者は予後が悪いことが報告されています。また、心不全発症後の長期臥床や活動量低下は、筋力、筋肉量の低下を引き起こし、フレイルの増加と関連すると考えられています。
今回の結果では入院後24時間以内にトルバプタンを投与することにより、心臓リハビリテーションの進行が早まることが示されました。心臓リハビリテーションの進行が早まることで、入院中の活動量が増加し、筋力、身体機能などの低下を予防し、フレイルへ移行するリスクを下げることができると予想しています。

高齢の患者さんでは数日の安静臥床がADL低下の要因となります。早期に体液量のコントロールができることで心臓リハビリテーションの進行にも影響することがわかりました。

今後も医療を通して、同じ時代に生きる人々のお役に立てるよう、質の高い心臓リハビリテーション実践に向けて積極的に取り組みます。


論文名:トルバプタン早期投与が心臓リハビリテーションの進行に及ぼす影響の検討
著者:村井明人*1, 大堀克彦*2, 阿部史*1, 住吉良太*1, 野島正寛*3
*1社会医療法人北海道循環器病院リハビリテーション科, *2社会医療法人北海道循環器病院循環器内科, *3東京大学医科学研究所附属病院TR・治験センター
 
 
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