循環器内科・佐藤 友哉 医師、相川 忠夫 医師のInvited Editorial論文がEuropean Journal of Preventive Cardiologyに掲載されました。

論文名:The role of histamine H2 receptor antagonist in heart failure: A potential game-changer?
著者:Tomoya Sato, Tadao Aikawa


この度、中国の研究チームから発表された論文について、当該学術雑誌の編集部より循環器分野の専門家として当院循環器内科相川 忠夫医師に批評の依頼があり、佐藤 友哉医師と共にこの論文に対して行った批評・コメントが国際雑誌「European Journal of Preventive Cardiology」に掲載されました。

中国の研究チームから発表された論文は一般的に胃潰瘍の薬として使用されている薬(H2ブロッカー)が、集中治療室に入っている心不全患者さんの予後を改善する可能性があるというもので、研究方法はデータベースを用いて後から振り返り検討する後ろ向き研究であり、解釈には注意すべき点も多くありますが、これまでにない新しい心不全の治療となる可能性があり、将来的に心不全に苦しむ患者さんにとって有益になることを期待しております。

他国の研究に対し、第三者が客観的に評価、検討を行うことは非常に重要であり、当院では医学の発展を通じ皆さまにより良い医療を提供できるよう、今後も臨床、研究ともに積極的な発信を行っていきたいと思います。

※Invited Editorialとは
学術雑誌の編集部が当該分野に詳しい専門家に依頼する論文で、その雑誌に掲載された論文の独自性や結果の解釈、問題点などについて専門家が著者とは異なる立場からコメントします。国際的な学術雑誌に掲載される論文は、専門家による査読(雑誌から依頼された研究者が、その雑誌に投稿された論文の科学的妥当性や独自性、問題点などについてチェックし、論文投稿者や雑誌編集者に対してその論文を雑誌に掲載した方がよいかどうかを含めてコメントすること)というプロセスを経た後も、他の論文に引用されたり批評されたりすることで、学問や技術が進歩していきます。


この論文は2022年7月11日に英文雑誌European Journal of Preventive Cardiologyに掲載されました。
<論文の詳細はこちらをご覧ください>
https://academic.oup.com/eurjpc/advance-article/doi/10.1093/eurjpc/zwac140/6639842
 
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