カテーテルアブレーションにおける新デバイス 日本初の臨床使用

2020年3月25日、当院にてAbbott社製の新デバイスである、AdvisorTM VL Circular Mapping Catheters(VLカテーテル)を日本で初使用しました。VLカテーテルは従来のリングカテーテルに磁気センサー(SE sensor)が搭載された製品であり、より位置情報の精度が向上することが期待されます(図1)。

実際に使用した感触としては、磁気センサーにより位置情報の精度が向上し、従来のリングカテーテルよりも、実際の左房の形と同等の心腔内構造物の描写が可能でした(図2)。3Dマッピング装置のEnSite上でのカテーテル表示も、従来のリングカテーテルに比して円の形は忠実に表現できている印象でした(図3)。これによりCT画像とのFusionも容易となり他のカテーテル位置情報の精度も向上することが期待されます。また造影CTを撮影できない患者さんにおいても精度の高い治療が行えることが期待されます。

今回、使用したVLカテーテルはBi- Directionalを使用しましたが、手元の操作ハンドルとカテーテルカーブの追従性がとてもよく、さらにトルクレスポンスも向上しており、格段に操作性が向上していました。

当院としては、今後も最先端の医療技術、医療機器を使用し、より安全で正確な治療を目指していきたいと思います。

■当院におけるカテーテルアブレーション治療について

 

さっぽろ不整脈クリニック 院長 櫻井 聖一郎

診療技術部 部長 柴田 正慶

図1:AdvisorTM VL Circular Mapping Catheters

図2:VLカテーテルにて描出した左房とCT画像の左房形態比較

図3:EnSite上におけるVLカテーテルの表示

社会医療法人 北海道循環器病院