道内で初めて末梢動脈疾患に対するレーザーカテーテル( Turbo Power )を実施し、成功しました。

2022年7月7日、末梢動脈疾患(動脈が動脈硬化によって血管内が狭くなったり、閉塞することで血行障害が起こる病気)に対して、道内で初めて新しいカテーテル(Turbo Power)を用いた血管内治療を行い、成功しました。

新しく開発された血管内治療用のレーザーカテーテル( Turbo Power )はステント内の再狭窄に対して用いると、用いない血管内治療と比較して再度の狭窄を優位に減らすことが明らかになっております。

バルーンによる拡張では血管内にあるプラーク(動脈の壁の内側に溜まったコレステロールなど)を押し潰して狭くなった内腔を広げる方法でしたが、レーザーカテーテルはプラークを蒸散させ、内腔を広げることができるのです。
レーザーカテーテルを利用することにより、ステント内での再狭窄のリスクを軽減させ、さらに合併症としての末梢塞栓を軽減できます。

Turbo Powerはレーザー装置があればどこの施設でも実施できますが、現在は全例市販後調査の対象になっており、レーザー指導医(当院では須永大介医師)がいる施設や、血管内治療症例数が多い施設を対象として、メーカーが市販後調査の依頼をして、当院もメーカーからの依頼を受け、道内で初めて実施しました(国内で3症例目)。

末梢動脈疾患は生活習慣との関係が密接であり、一度、血管内治療を行った後も生活習慣の改善を行わないと再び、狭窄などの血行障害を起こす危険性があります。
レーザーカテーテルを利用することにより、ステント内での再狭窄のリスクを軽減させ、さらに合併症としての末梢塞栓を軽減できます。

かかりつけ医の先生方へ

当院では、浅大腿動脈のステント内狭窄に対する新しいレーザーカテーテル(Turbo Power)用いた血管内治療(EVT)をおこなっております。レーザーカテーテルを用いた血管内治療(EVT)の適応となる患者さんは、「浅大腿動脈におけるステント内狭窄(回数は問わない、初回の狭窄でも可)の患者さん」です。
ステント内狭窄に対して、従来のバルーン拡張による内腔の確保と比較して、レーザーカテーテルでは、再狭窄を有意に減らします。
また、末梢塞栓の合併症も減らします。先生が診察されている患者さんのなかに、浅大腿動脈のステント内再狭窄を繰り返している方がおられるようでしたら、是非とも当院へご紹介いただければ幸いです。

心臓血管内治療センター

冠動脈部門・末梢血管部門

部長 須永大介


 

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社会医療法人 北海道循環器病院