診療放射線科 寺田 陸夢技師の演題が【CCT2024ポスターセッション】の最優秀演題として表彰されました!
2024.11.08
診療放射線科 寺田 陸夢技師の演題が【CCT2024ポスターセッション】の最優秀演題として表彰されました。
本人コメント
今回、最優秀賞を頂いて改めて、当院における造影CT検査の有用性、また患者さんにとって有益な発見が出来たことを嬉しく思います。これからも病院の理念でもある「医療を通して、同じ時代に生きる人々のお役に立つ」を実践できるように精進いたします。
演題概要
2019年12月に中国・武漢で初めて確認された新型コロナウィルス(Covid-19)は、世界規模で急速に感染が広がり、多くの後遺症を引き起こしています。後遺症の中には心筋炎による胸痛も含まれています。Covid-19による心筋炎はおおむね0.01%、Covid-19ワクチンによる心筋炎・心膜炎の頻度は100万回投与あたりに2~3人と2023年改訂版日本循環器学会ガイドラインでは報告されています。そこで当院ではCovid-19後遺症専門外来を開設し、循環器に特化した病態を解明する目的で造影CT検査を実施しました。
今回の検証はある期間の71名の患者さんの検査結果をまとめたもので、冠動脈(心臓に血液を送っている血管)に高度狭窄を認めた患者さんが3名、肺動脈に血栓が認められた患者さんが1名でした。また心筋遅延造影にて造影効果(心筋炎、心外膜炎の可能性を示唆する所見)を認める患者さんが62名(全体の87%)という非常に多い結果になりました。
この結果によりCovid-19後遺症と思われる胸痛で悩んでいる患者さんに潜在的に起きているかもしれない心筋炎・心膜炎を造影CT検査で発見できる可能性が示唆されました。